×

ニュース

米印核協定承認  「例外的。違反があればNSGで協議」と首相

■記者 道面雅量、金崎由美

 核拡散防止条約(NPT)への加盟を拒むインドを例外扱いし、ウランなどの供給を可能にする「米印原子力協力協定」を日本政府が容認したことについて、福田康夫首相は8日夕、「例外的に認めるということ。違反があれば原子力供給国グループ(NSG)で協議することになっている」と、核拡散の歯止めがあることを強調した。

 福田首相が辞任の意向を表明した1日以来拒否してきた「ぶら下がり会見」に、1週間ぶりに応じて答えた。

 また、これまで日本政府は対応について明言を避けてきたが、町村信孝官房長官は「(NSG)会議は非公開の運営でやむを得なかったが、結論が出た以上は国民に説明していかないといけない」と述べた。

 一方、薮中三十二外務事務次官は定例会見で政府の対応について「被爆地の声を踏まえながら対応してきたつもりだ。気候変動の問題や、国際原子力機関も(米印協定に基づく査察に)一定の評価をしている中で、難しい判断を行わざるを得なかった」と話した。

 また、経済産業省の望月晴文事務次官は記者会見で、「賛成したほうが世界の核不拡散のためにいいと判断した」と説明。その上でインドに対し「NPTの早期加盟を強く求めていく」と語った。さらに、インドから原子力開発で協力を求められた場合は「日本とインドとの協定について検討していかなければならない」と、前向きに対応する考えを示した。

(2008年9月9日朝刊掲載)

関連記事
印への核輸出承認 ヒロシマに失望と怒り (08年9月10日)
米印核協力  衆参議員が反対集会  外務省に緊急アピール (08年9月 8日)
社説 米印の核協力協定 「容認」は不拡散に逆行 (08年8月25日)

年別アーカイブ