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翻訳システム 実証試験 外国人客増 精度高める 広島の企業・経済団体

 広島県内の企業や経済団体でつくる「広島おもてなし推進コンソーシアム」は25日、広島市中区の原爆資料館で多言語音声翻訳システムの実証試験を始めた。2020年の東京五輪・パラリンピックに向け、さらに外国人観光客の増加が見込まれる中、翻訳システムの精度を高める狙い。2月末まで、廿日市市の宮島でも試験をする。(桑島美帆)

 翻訳システムは英語、韓国語、中国語に対応する。専用のアプリを入れたタブレット端末に日本語で話し掛けると、選んだ言語の音声と文字が出る。日本語への翻訳もできる。

 東京五輪までに翻訳システムを全国に普及させる総務省の事業の一環。コンソーシアムは試験前に、既存の基本システムに「折り鶴」や「もみじまんじゅう」「原爆ドーム」など、広島ならではの単語や地名を約5千語登録した。

 この日は、スタッフが翻訳システムを使い、外国人観光客とコミュニケーションを取った。アルゼンチンから訪れたエドワルド・ガルバンさん(37)は「もう少しスムーズに訳が出れば会話しやすくなる」と話した。実証試験を終えた後、システムの改善点などを総務省に伝える。

 コンソーシアムは昨年9月に発足し、ソルコム(広島市中区)RCCフロンティア(同)広島銀行(同)など7社・団体で構成。事務局を務めるソルコムの杉本祐司郎スマート系ビジネス部長は「外国語が苦手な人でも、気軽に外国人客ををもてなせるシステムを目指したい」と話している。

(2016年1月26日朝刊掲載)

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