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震災復興 ヒロシマ提言 中区でシンポ

 被爆から復興した広島の経験を踏まえ、原発事故に見舞われた福島の復興を考えるシンポジウム「広島、そして福島の復興」が29日、広島市中区のアステールプラザであった。市民や東北地方からの避難者たち約50人が意見を交わした。

 広島大平和科学研究センターが主催。基調講演で同センターの篠田英朗准教授は、戦後日本が平和国家へ転換する中、広島が平和都市として復興を遂げたと指摘。「福島の復興は政府がどう変われるかにかかっている」とし、地方を尊重する姿勢への転換を求めた。

 福島大の山川充夫教授(地域経済論)は「原発事故は人災。政府が信頼を取り戻すには市民と対話を重ねるしかない」と訴えた。

 原町青年会議所(福島県南相馬市)の田中章広前理事長や、南相馬市から広島市内へ避難している衣山弘人さんたちパネリスト4人も、被災地の様子などを報告した。

 シンポに先立ち、福島市の医師が参加する相談会も実施。避難者の2家族7人が健康問題などを相談した。(長久豪佑)

(2012年1月30日朝刊掲載)

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