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愛宕山売却 理解得られた 岩国市長に再選 福田氏に聞く

艦載機 まず試験飛行を

 29日に投開票された岩国市長選は、米海兵隊岩国基地への空母艦載機移駐に協力姿勢の福田良彦氏が再選された。2014年までの国の移駐計画にどう向き合うのか。福田氏に聞いた。(酒井亨)

 ―選挙結果は市民が艦載機移駐を含む米軍再編を受け入れたという見方もあります。 
 騒音問題など、これまで市民の負担軽減に向け、国との交渉でさまざまな対策を引き出してきた。「現実的な対応」による実績を評価してもらえた。だが不十分だ。不安解消のための制度を構築していく。地域振興策も、経済が活性化する施策を進められるよう国と協議する。再編交付金も市民生活の福祉向上などに活用していく。

 ―米軍住宅予定地となる愛宕山地域開発事業跡地の国への売却方針も決めました。
 市民の理解を得られたと受け止めている。今後は事務的な手続きが粛々と進んでいく。

 ―艦載機移駐など米軍再編への基本的な考え方は。
 「普天間飛行場(沖縄県)移設の見通しが立たない間は艦載機の先行移駐は認められない」「今以上の(住民への)負担は認められない」という基本方針は変わっていない。

 ―移駐後の騒音拡大や治安には市民の不安もあります。
 まず艦載機の試験飛行を岩国で実施したい。住宅防音工事区域の拡充も引き続き国へ要請していく。日米地位協定の運用改善については、基地を抱える地域などと連携し、市民が納得できる成果を得たい。二井関成山口県知事と上京し、外務、防衛省などに働きかけていく。(今月就任の)田中直紀防衛相に艦載機移駐の基本方針や地元の要望を伝える機会も持ちたい。

 ―移駐反対派への対応は。
 (元市長の)井原勝介氏は市長時代に国の手法を批判していた。しかし、国と協議し、要望を引き出して市民の不安を拭い去ることが責任ある政治だと思っている。

(2012年1月31日朝刊掲載)

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