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復興願うコメ フクシマで風評被害 喜多方の農家 住民団体が配達始める 

 2014年8月の広島土砂災害で被災した広島市安佐南区八木、緑井両地区の一人親家庭や独居の高齢者に、福島県喜多方市産の米を届けるプロジェクトが30日、始まった。東京電力福島第1原発事故の風評被害に苦しむ喜多方市のコメ農家と被災地を結び、双方を後押しする取り組み。8月まで続ける。(柳本真宏)

 土砂災害の被災者が憩う施設の建設を目指す地元の住民グループ「復興交流館モンドラゴン」が企画した。50世帯120人に毎月1回、1人当たり5キロのコシヒカリを無償で配る。広島市内のボランティア団体「高校生災害復興支援ボランティア派遣隊」や「セイブ・ザ・ヒロシマ」のメンバーが配達する。

 初日はモンドラゴンのメンバー宅に600キロが届き、20世帯に届けた。受け取った1人暮らしの丸山淑子さん(73)は「届けてもらうと助かる。ボランティアと話せば元気ももらえる」と喜んだ。

 プロジェクトは、高校生派遣隊が提案した。土砂災害の発生当時、東日本大震災で被災した福島県の支援活動をしており、当時一緒に活動していた喜多方市のボランティア団体からコメ農家を紹介してもらった。モンドラゴンの活動の一環として、NPO法人の協力や米国の金融大手企業の資金援助を得て取り組む。

 モンドラゴンの畠堀秀春館長(58)は「これからも全国各地の被災地とさまざまな角度から支え合っていきたい」と話した。

(2016年1月31日朝刊掲載)

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