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被曝漁船員の実態追う 広島・尾道 記録映画を来月上映

 米国による太平洋での核実験で被曝(ひばく)した日本の漁船員の実態を追った南海放送(松山市)製作のドキュメンタリー映画「放射線を浴びたX年後2」=写真はチラシ=が3月、広島市西区の横川シネマと尾道市のシネマ尾道で上映される。

 2012年公開の「―X年後」の続編。漁師だった父親が36歳で急死した高知県室戸市出身の女性(59)が前作を見て、「酒の飲み過ぎで早死にした」と聞かされていた父の死因に疑問を感じ始め、よく似た境遇の家族への聞き取りや、父の乗った船が放射能汚染で捕獲した魚の廃棄を命じられた事実を示す国の開示資料などから、被曝との関連に確信を深めてゆく展開。核実験場近くの海に多くのマグロ漁船が出漁していた室戸を舞台に、沈黙してきた生存者や遺族の証言を掘り起こしている。86分。

 南海放送ディレクターの伊東英朗監督は04年からこの問題を取材。1946~62年に繰り返された核実験が54年の第五福竜丸だけでなく、多くの被曝船を生んだ事実を追及している。

 上映予定は次の通り。

 ≪横川シネマ≫3月8~21日午後0時50分~。前作の「X年後」(83分)も2月29日~3月7日(3日は休映)に上映する。午後0時40分~。Tel082(231)1001。

 ≪シネマ尾道≫3月26日~4月1日。時間未定。Tel0848(24)8222。

(2016年2月1日朝刊掲載)

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