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非木造 最大8000万円に 被爆建物保存 広島市が補助拡充

 広島市が2016年度に拡充する、民間の被爆建物保存工事の補助制度概要が1日、分かった。鉄筋、れんが造りの非木造建物への補助金額は最大8千万円とし、現行より5千万円引き上げる。被爆71年を迎え、老朽化で相次ぎ姿を消す中、市は「物言わぬ証人」の保全に力を入れる姿勢を示す。

 市は、爆心地から5キロ以内で原爆に遭い、現存する建物を被爆建物として登録。保存・継承に向けた要綱を定め、民間の保存工事については、従来3千万円を上限に費用の4分の3を補助してきた。

 新年度からは、非木造で8千万円、木造で3千万円を上限に全額を補助することにし、近く要綱を改正するとみられる。原資には、16年度からの原爆資料館(中区)の入館料値上げで浮く財源の一部を充てる。

 市の被爆建物は1996年に100施設あったが、現在87施設まで減少。うち民間所有は66施設で非木造は11施設、木造が55施設となっている。(水川恭輔)

(2016年2月2日朝刊掲載)

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