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援護地域外で記載漏れ 「黒い雨」報告書 次回会合で修正

 広島原爆投下後に降った「黒い雨」の指定地域見直しをめぐり、厚生労働省の有識者検討会のワーキンググループ(WG)がまとめた報告書で、国の援護対象地域外で黒い雨を浴びたと答えた人が多い地域の記載が漏れていたことが1日、分かった。厚労省は「次回の会合で修正する」としている。

 WGは、指定地域の約6倍の降雨域を推定した広島市の調査データに基づき解析。1月20日に報告書をまとめ検討会に提出した。

 この中でWGは「降雨域を確定するのは困難」としながら、指定地域の外で市の調査に「黒い雨を浴びた」と答えた人の割合「体験率」が50%以上かつ10人以上いた「(指定地域外の)北西側の6地域」の存在を指摘した。旧筒賀村(広島県安芸太田町)、旧砂谷村(広島市佐伯区)などだった。

 だがWGは、指定地域の東側に隣接する安佐南区上安地区や相田地区など旧安村(安佐南区)の一部が体験率61%(150人中92人)に上ったのに、報告書の本文で記載していなかった。厚労省はデータの分類を誤ったと説明し、「単純ミスで意図はない」としている。(金崎由美)

(2012年2月2日朝刊掲載)

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