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風力発電事業に着手 山口県上関町 2基建設へ調査

 中国電力上関原発建設計画の凍結状態が続く山口県上関町は2日、自主財源の確保策として計画する風力発電事業をスタートさせた。発電機建設に向けた現地調査に、予定地の同町長島の上盛山(かみさかりやま)(314メートル)で着手。2016年度着工、18年12月の運転開始を目指す。(井上龍太郎)

 計画では、出力2千キロワット級の風力発電機2基を山頂近くの尾根に設置する。環境、地質、測量の3調査を12月まで実施。生態系への影響や地盤の適性を確かめた上で、建設地を確定させる。調査費は基本設計を含めて4100万円。

 この日は町から委託を受けた広島市東区の建設コンサルタント業者が環境調査を始めた。シロハラなど野鳥の姿を確認した。季節ごとに観察する。

 町は初期投資額を20億円と試算。売電収入を1基当たり年1億円と想定し、撤去費などを除いて20年間で総額15億円の収益を見込む。町は観光収入を増やすための環境づくりも兼ね、発電機近くへの公園整備も検討する。

 柏原重海町長は「原子力財源が不透明な時期にある中、人口減少と高齢化が進んでいる。町民が安心して暮らしていくためにも財源が必要。風力発電で増収を図りたい」と述べた。

(2016年2月3日朝刊掲載)

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