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世界記憶遺産 データ網羅 広島のシンクタンクが出版 被爆資料の登録提言も

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界記憶遺産を網羅した「世界記憶遺産データ・ブック」をシンクタンクせとうち総合研究機構(広島市佐伯区)が出版した。被爆地からの思いとして、広島・長崎の被爆資料の登録も提言している。

 同遺産の概要を収めたデータ集の出版は全国初。昨年、日本で初めて登録された福岡県の炭坑絵師山本作兵衛の記録画などや、「朝鮮王朝実録」「アンネ・フランクの日記」「ベートーベン『交響曲第9番』の草稿」など98カ国、4機関・団体の全245件を国・地域、登録年、収蔵機関別に紹介している。

 せとうち総合研究機構は、原爆ドームが世界遺産に登録される前年の1995年からデータ集などを出版してきた。今回の本の中で、世界記憶遺産に「広島・長崎の被爆資料を」との一文を盛り込んだ。古田陽久代表(60)は、写真や映像、文書などが登録候補になるとし「人類史的に意義がある」と訴えている。

 A5判、144ページ。2625円。同機構Tel082(926)2306。(林淳一郎)

(2012年2月2日朝刊掲載)

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