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シュモー会館 移転再開 土台補強し30度回転 中区

 広島市は2日、米国の平和活動家の故フロイド・シュモー氏が被爆者のために建てたシュモー会館(中区江波二本松)を保存する移転工事を再開した。劣化が見つかった土台の補強が完了。「曳家(ひきや)」と呼ばれる工法で移転作業を進めた。

 市は1月27日に着工したが、土台の木材が腐っていたため工事を中断していた。

 この日は作業員8人が基礎部分から切り離した木造平屋の建物を、角材の上にレール代わりに並べた板に乗せ、ウインチで引っ張って移転用地の方向に約30度回転させた。8日までに北西約40メートル先の用地に移動させる。

 会館は1951年建設で、シュモー氏が市内3地区に建設した計21棟で唯一現存する。集会所として使われてきたが、広島南道路の建設予定地となったため市は移転を決めた。

 移転後は内部を改修し、被爆地を支援した外国人を紹介する資料の展示室にする。地元町内会長の河村明治さん(71)は「壁や屋根を修理し大切に使ってきた。保存されるのは感無量」と喜んでいた。(金崎由美)

(2012年2月3日朝刊掲載)

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