×

ニュース

被爆死学徒 最期の言葉 広島市中区で遺品と紹介

 広島市中区の原爆資料館東館地下1階で、収蔵資料の企画展「最期のことば」が開かれている=写真。被爆死した学徒4人が亡くなる前に家族に残した言葉を、遺品とともに紹介する。4月13日まで。

 市立中(現基町高)1年の三上直樹さん=当時(12)=は校庭で被爆後、自宅に戻って間もなく亡くなった。「学徒の僕たちが生きておられることのないのは覚悟しとったよ。お母ちゃんは人のためになる事を…」。みとった母の五月さんがつづった手記と遺影をパネル展示。被爆時にはいていた学生ズボンがそばで、痛ましさを一層訴える。

 建物疎開作業に動員された広島二中(現観音高)生徒の学生服と、死の間際に本人から被爆体験を聴いた姉の証言なども並ぶ。兵庫県伊丹市の会社員今泉領さん(35)は「子どもやきょうだいを奪われた家族の悲しみが胸に迫る」と見入った。

(2016年2月4日朝刊掲載)

年別アーカイブ