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島根原発3号機 制御棒部品 加工ミス 中電が原因発表

 中国電力は2日、建設中の島根原子力発電所(松江市鹿島町)3号機で、2010年11月に発生した制御棒駆動装置のトラブルについて原因を発表した。金属部品の加工ミスに加え、誤った方法で作動試験を実施したのが主な要因とした。

 制御棒駆動装置は、制御棒を燃料棒の間に挿入することで核分裂を抑制し、原子炉の運転を停止することができる。10年11月、装置の試験をしていた3号機で、205本ある制御棒のうち18本がスムーズに挿入できない不具合が発生した。

 中電は原因について、モーターと作動部をつなぐステンレス製部品の仕上げ加工が不十分だった▽試験に使う水量を少なく見積もり、さびを含む炉内の水が装置内に逆流し、異物が付着した―などとした。

 加工ミスは、発注した日立製作所の子会社で再調整した上で、正常に作動することを確認。試験マニュアルも見直した。今後、経済産業省原子力安全・保安院と、安全協定を結ぶ島根県と松江市の立ち入り検査を受ける。

 3号機はほぼ完成。運転開始には、国によるストレステスト(耐性評価)のチェックや島根県などの事前了解が必要で、稼働時期は見通せていない。(樋口浩二)

(2012年2月3日朝刊掲載)

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