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放射線の恐怖 元軍医が講演 中区で肥田さん

 元軍医で被爆者の治療に尽力した日本被団協中央相談所(東京)の前理事長肥田舜太郎さん(95)=さいたま市=が4日、広島市中区の原爆資料館で講演した。原爆投下の直後から治療に当たった経験を基に、放射線の恐ろしさを語った。

 肥田さんは、戸坂村(現東区)で高熱や吐血など急性放射線障害に苦しむ患者を治療した経験を紹介。体がだるくなる「原爆ブラブラ病」という症状を例に、放射線との因果関係が証明されない被爆者の苦しみを語った。

 福島第1原発事故に触れ「福島でも広島や長崎と同じ経験をする人が出るかもしれない」と懸念。「安全な国を次世代に残すため全ての原発を停止するべきだ」と訴えた。

 広島平和文化センターなどが主催し、約300人が聞き入った。

(2012年2月5日朝刊掲載)

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