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「一枚のハガキ」日本映画1位 99歳新藤監督 喜び新た キネマ旬報表彰式

 2011年公開の映画を対象とした第85回キネマ旬報ベストテンの表彰式が4日、東京都内であり、「一枚のハガキ」が日本映画1位に選ばれた新藤兼人監督(99)=広島市佐伯区出身=に作品賞が贈られた。

 新藤監督が自らの体験を基に、戦争への憎しみと人生の尊さを訴えた作品。車椅子で登場した新藤監督を、約900人の観客が総立ちの拍手で迎えた。新藤監督は「この実話を残さないで死ぬのは悔いが残ると思い、これで終わりと思って書いた」と作品への思いを語った。「選んでもらってよかった。こんなことなら、もっと頑張ってまた選ばれたいんだけど、99歳だからもうだめです」と笑いも誘っていた。

 福山市で撮影された「少女たちの羅針盤」などに出演し、新人女優賞を受賞した忽那汐里さん(19)は「歴史ある賞をいただき、重みを感じる」と喜んでいた。(武河隆司)

(2012年2月5日朝刊掲載)

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