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国境越えた交流表彰 ヒロシマ平和創造基金 3団体1個人選ぶ

 公益財団法人ヒロシマ平和創造基金(理事長・岡谷義則中国新聞社社長)は15日、国境を越えて地道な国際交流・平和活動を続ける団体や個人に贈る「国際交流奨励賞」に、広島県内の3団体と1個人を選んだ。

 本年度受賞するのは、海田町国際交流協会(海田町)、県青年海外協力隊を育てる会(広島市安佐南区)、広島ジュニアマリンバアンサンブル(西区)、七宝作家で被爆者の田中稔子さん(77)=東区。公募の形となった2012年度以降で最多の13件の申請の中から決めた。

 海田町国際交流協会は、地元に外国人労働者が多い事情を踏まえ、住民主体で1994年に設立。日本語教室や英語サロン、中高生たちの海外研修などを通じ、相互理解を深めてきた。

 県青年海外協力隊を育てる会は、国際協力機構に所属する隊員が派遣先で開く原爆展などを支援している。活動は本年度で丸50年。県内の若者のボランティア意識向上にも努める。

 小学生から高校生までが集う広島ジュニアマリンバアンサンブルは、国内をはじめアジア、欧州などで演奏している。打楽器の音色に平和への思いを込め、ヒロシマの願いを発信する。

 6歳の時、爆心地から約2・3キロで被爆した田中さんは、作家活動の傍ら国内外で体験を証言。世界を巡る平和の船旅にも3度参加し、核廃絶を訴えた。昨年11月にはイタリア・ピサ市から「献身的な活動」として表彰された。自宅で平和交流を続ける構想も練る。

 表彰式は3月8日、中国新聞ビル(中区)であり、それぞれ表彰状と奨励金10万円が贈られる。(山本祐司)

(2016年2月16日朝刊掲載)

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