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「放射能と子ども達」出版 碓井氏、影響など紹介

 県医師会の碓井静照会長(74)が「放射能と子ども達」を、ガリバープロダクツから出版した。8歳の時の被爆や、福島県、チェルノブイリを訪れた体験を交え、放射能の人体への影響やリスクとの向き合い方をまとめた。

 碓井会長は昨年7月、福島第1原発から30キロ圏内の福島県南相馬市や、計画的避難区域の同県飯舘村を訪問。住民は被曝(ひばく)への不安を募らせており「原爆に遭い、海外の放射能汚染の現場を知る医師として書く義務があると思った」と語る。

 放射能の影響を受けやすい子どもの内部被曝について、チェルノブイリ原発事故後に甲状腺がんが増えた経緯などを踏まえて紹介。被曝量の計算例も掲載した。

 長期間の低線量被曝の影響は現時点では分からない部分も多い。「『放射線を受けるリスク』と『被曝リスクを回避することによる生活リスク』の両方を検討しなければならない」と記し、被曝に対し神経質になりすぎないよう促している。

 碓井会長は「子どもたちを守る正しい知識を身につけてほしい」と話す。B6判、392ページ。1890円。(衣川圭)

(2012年2月10日朝刊掲載)

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