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平和な世界へ児童が原爆劇 広島大付東雲小 絵本題材 作者招き理解深める

 広島市南区の広島大付属東雲小の4年生70人が、原爆に関する実話を基にした絵本「いわたくんちのおばあちゃん」の劇を校内の発表会で演じる。作者で市内在住の絵本作家天野夏美さん(53)を招いて理解を深め、舞台や演技の表現を練った。(新谷枝里子)

 劇は、小学4年生の「ひろし」が、友人の祖母が家族で写真に写りたがらない理由を語るストーリー。友人の祖母はかつて家族写真を撮った後、一緒に写った両親と妹の計5人を原爆で失ったことが明かされる。

 児童は1月から、天野さんが作品に込めた思いを聞いたり、当時の街の様子を調べたりしてきた。週2時間のペースで学習や練習を続ける。練習では教諭たちから「登場人物の気持ちになって」などとアドバイスを受け、立ち方や視線の動きなどを試行錯誤しながら演じる。20日の発表会で披露する。

 戦後70年がたち、発表会での演目を探していた新谷和幸教諭(41)が新聞記事で絵本を見つけ、天野さんの了解を得て劇に仕立てた。戦争のない未来をつくるとの児童の誓いで締めくくる。

 ひろしを演じる西本翔惺(とい)君(10)は「100年たったら、みんな原爆や戦争の本当の怖さを忘れてしまうかもしれない。平和な世界にできるよう僕たちが伝えていきたい」と話していた。

(2016年2月17日朝刊掲載)

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