×

ニュース

16年度も松江市に寄付 中電 漁業振興名目3000万円

 中国電力が島根原子力発電所の立地する松江市に対し、2016年度も漁業振興名目の寄付を続けることが17日、分かった。3号機新設に伴う交付金でできた漁業施設の運営費3千万円で、寄付は12年連続。引き続き、中電のコスト意識や市の寄付金依存の体質が問われそうだ。

 施設はアワビの種苗を生産・販売する同市鹿島町の鹿島・島根栽培漁業振興センター。中電が原発敷地内で実施していた事業を引き継ぐ形で、05年に設置された。資源保護や養殖業振興を目的に、漁業者らに種苗を販売している。

 市水産振興課によると、施設の16年度運営費は約7千万円を見込む。収入のうち売り上げは2割程度。寄付が約4割を占める。そのほかは運営や維持・補修のための基金を取り崩している。同課は「寄付を前提とした施設。寄付なしの運営は難しい」としている。

 寄付は中電が02年、旧鹿島、島根町(ともに現松江市)と島根県、両町の旧3漁協(現JFしまね)と結んだ覚書に基づく。05年度に始まった寄付は16年度までに総額3億6千万円。中電は「地域の漁業振興のために続けている。現状で見直しは考えていない」としている。(松島岳人)

(2016年2月18日朝刊掲載)

年別アーカイブ