×

ニュース

平和大行進 91日間密着 東京-広島 ドキュメンタリーに

 広島、長崎の「原爆の日」に向け核兵器のない世界の実現を訴えて全国を歩く国民平和大行進のドキュメンタリー映像「一歩でも二歩でも」を、東京在住の映画プロデューサーたちが制作した。被爆70年の昨年、東京から広島まで一緒に歩いて撮影。参加者と沿道の人たちとの交流を中心に、大行進の今を伝える。

 被爆30年の1975年、大行進の記録映画を手掛けた山口逸郎さん(84)=東京都杉並区=が新たにプロデュースした。今回は昨年5月に東京・夢の島を出発して、広島市中区の平和記念公園に到着するコースの約千キロ、91日間を記録。映画監督の有原誠治さん(68)=東京都清瀬市=が監督、脚本、撮影を担当した。

 行進する人たちだけではなく、一行を出迎える各地の住民の姿を強調している。平和への思いを共有する高校生や被爆者、自治体トップたちとの出会いや交流を軸に、54分の作品に仕上げた。58年に始まった大行進は、日本原水協などの実行委員会が主催。昨年は全国11コースに計約10万人が参加した。

 今月上旬に都内で試写会があり、あいさつした山口さんは「一緒に歩き、出迎えてくれる人が一人でも二人でも増えてほしい」と訴えた。映像はDVD(4千円)として販売している。日本原水協Tel03(5842)6031。(山本和明)

(2016年2月22日朝刊掲載)

年別アーカイブ