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「一方的な判決」 全国・広島の原告ら抗議 二審は原爆症と認めず 大阪高裁

 一審で原爆症と認められた男性の遺族側が逆転敗訴した25日の大阪高裁判決。原爆症認定訴訟の全国原告団や広島訴訟の原告たちは「不当判決だ」と抗議し、被爆者の救済に向けた認定制度の抜本改正を求めた。

 判決後、全国原告団の山本英典団長(83)たち10人が厚生労働省を訪問。山本団長は声明を読み上げ「結論に見合う証拠だけを採用した一方的な判決。放射線の影響を全く考慮していない」と指摘。日本被団協の田中熙巳(てるみ)事務局長(83)は「国は被爆者救済の立場に立っていない」と批判した。

 広島訴訟に参加している原告や弁護士も不満をあらわにした。広島高裁で係争中の内藤淑子さん(71)=広島市安佐南区=は「敗訴判決は納得できない。今でもつらい思いを抱えたままの被爆者は多くいる。その思いをくみ、国は責任を認めてほしい」と訴えた。

 広島訴訟の弁護団長を務める佐々木猛也弁護士は「証拠を客観的に十分に評価しておらず、問題がある判決だ。この敗訴を教訓に分厚い立証を展開する」とと受け止めた。(山本和明、浜村満大)

(2016年2月26日朝刊掲載)

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