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旧海軍基地の記憶たどる 呉市音戸の波多見小児童 地元で学習 交流会であす発表

 広島県呉市音戸町の波多見小6年生が戦後70年の昨年からことしにかけて、地元の大浦崎に残る戦争の跡について学習した。29日に同校である音戸小(同町)との交流会で発表する。(今井裕希)

 大浦崎には小型潜水艇「特殊潜航艇」を製造、整備する旧海軍の基地があり、P基地と呼ばれていた。一帯の海域は搭乗員の訓練場所でもあった。今は県水産海洋技術センターの施設が立ち並ぶ。

 6年生46人は昨年7月、大浦崎に足を運んでセンターの職員から話を聞いた。当時の姿をとどめるれんが造りの倉庫、岸壁などを見て回った。

 P基地については、当時を知っている高齢者にも話を聞いた。火薬の入っていない魚雷で遊ばせてもらっていたなどと教わった。

 加えて全校児童や保護者、住民たち計342人に戦争に関するアンケートも実施。戦後に生まれた60代までの回答者計336人のうち、約8割が大浦崎と戦争の関わりについて知らなかったという。

 担任の清水典子教諭は「古里にも戦争に関わった歴史があったことを学んだ経験を大切にして、平和について考え続けてほしい」と期待している。

 交流会で波多見小の児童は5グループに分かれ、6分ずつパワーポイントや模造紙を使いP基地について説明する。6年の村田陽菜さん(12)は「小さい時に空襲を体験した話などを聞き、遊ぶ場所だった大浦崎の見方が変わった。学習したことをしっかり伝えたい」と話していた。

(2016年2月28日朝刊掲載)

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