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「伊方」提訴へ原告団 広島・長崎の被爆者や市民 「再稼働は権利の侵害」

 四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)の再稼働の差し止めを求め、3月に広島地裁に提訴する広島、長崎両県の被爆者たちが28日、原告団を結成した。再稼働に反対する市民を含む9都府県の58人で構成し、さらに増える可能性もある。提訴に合わせ、一部メンバーは同原発3号機の再稼働差し止めを求める仮処分の申し立てもする方針。

 同日、広島市中区の広島弁護士会館で結成集会があり、被爆者や支援者たち約40人が参加。弁護団の胡田敢弁護士たちが、裁判での主張のポイントなどを解説した。市民たちでつくる裁判の応援団の原田二三子代表(57)は「伊方原発の再稼働は、安心して暮らす権利の侵害。ふるさと広島を放射線被曝(ひばく)から守る闘いだ」と意義を強調した。

 同原発は広島市の南側約100キロに位置する。訴訟では、事故が起きれば、近隣の広島県なども甚大な被害を受ける▽事故が起きない場合でも、放射性物質を発生させて住民の健康や環境に影響を及ぼす―などと主張するという。

 4歳の時に西区の己斐小近くで被爆した原告団の堀江壮団長(75)=佐伯区=は「放射線の恐ろしさを知る一人として、次世代に『負の遺産』を残すことは許されない。体が続く限り訴えていく」と力を込めた。(浜村満大)

(2016年2月29日朝刊掲載)

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