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津和野発 平和の願い 詩の群読や写真展 交流文化祭で公民館職員 島根

 島根県津和野町の公民館職員の有志11人が28日、同町の日原山村開発センターで平和詩を群読した。町民が出し物を披露した「あいこい交流文化祭」の参加団体の一つとして、10館合同で初めて企画。平和の尊さを問い掛けようと、東京の出版社から借りた紛争地帯などの写真20枚も展示した。

 「戦争の20世紀を経て人は賢くなったのでしょうか」。こう切り出し、読み上げた詩は与謝野晶子の「君死にたまふことなかれ」。日露戦争中、弟を思って詠んだ詩に現代語訳を加えて発表した。世界の現状を知ってもらおうと、空爆や市街地の銃撃戦など借り受けた写真の一部もスクリーンに映し出した。

 発案は2011年、千葉県松戸市から移住した青原公民館主事の諏訪かおりさん(47)。2人の子育てを通じ、次世代に残す平和な世界を考えるようになったという。報道写真の月刊誌「DAYS JAPAN」から「国際フォトジャーナリズム大賞」受賞作の使用許可を得て、実現した。

 シリアや南スーダンの難民キャンプなどの写真が並び、来場者からは「戦争を知らない世代こそ見るべきだ」との声も。諏訪さんは「人ごとではなく、一人一人が自分のこととして平和を思うきっかけになれば」と話していた。(江川裕介)

(2016年2月29日朝刊掲載)

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