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全国から1万件 被爆体験記届く 広島平和祈念館 来年7月公開

 国立広島原爆死没者追悼平和祈念館(広島市中区)は1日、厚生労働省の本年度の被爆者実態調査に合わせ、被爆体験記が全国から1万103件寄せられたと発表した。うち広島市分は3785件、同市以外の広島県分は1772件。同館が整理を進め、2017年7月に公開する。

 昨年12月から2月末までに受け取った32都道府県と広島、長崎両市分。「被爆について思うこと」をテーマに、被爆者が用紙に自由に記述している。被爆地別では広島7265件、長崎2778件、不明60件。残る15県分も今後、届く見込み。

 厚労省は、被爆者の生活や健康状況を確認し、被爆者援護策に生かす目的で、10年ごとに実態調査を実施。15年度は昨年10、11月に国内外約5万6千人を対象にした。被爆体験の記入呼び掛けは被爆50年の際に始め、3回目。前回の05年度は1万1778件集まった。

 被爆体験記は、平和祈念館がチェックした上で公開する。22年7月までのデータベース化完了も目指す。国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館でも同様に公開される。(渡辺裕明)

(2016年3月2日朝刊掲載)

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