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「拉致」解決へ後押しを 広島県議連 被害者の兄が訴え

 米子市出身の拉致被害者松本京子さん=失踪当時(29)=の兄孟さん(69)が3日、広島県議会の北朝鮮拉致問題早期解決促進議員連盟(62人)の会合で講演した。「京子はいつ帰るのか。何年かかるのか」と訴え、問題解決に後押しを求めた。

 地元の鳥取県や島根島の公民館、小学校を中心に講演活動をしており、広島県内は2回目の訪問。京子さんが「編み物教室に行く」と自宅を出たまま失踪した1977年から40年近くを振り返り、「北朝鮮で何が起きているのか、本当のことが何も分からないのがつらい」と吐露した。

 北朝鮮は、核・ミサイル開発に対する日本政府の制裁強化を理由に、拉致被害者の安否再調査の中止を表明。孟さんは「腹立たしい」と憤慨し、被害者家族が高齢化している実態を強調した。

 同議連は超党派の議員で構成。小林秀矩幹事長は終了後、「県民の意識を高める周知活動に一層力を入れたい」と話した。(樋口浩二)

(2016年3月4日朝刊掲載)

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