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「若手確保を」放影研に勧告 科学諮問委

 被爆者や被爆2世の健康影響を調査している放射線影響研究所(放影研、広島市南区)の科学諮問委員会は4日、「研究者の高齢化問題が、活動基盤と将来構想に影響を与える」とし、早急に若手の人材を確保するよう放影研に勧告した。

 勧告は3項目。放影研の研究者の平均年齢が50歳を超えたのを踏まえ、「戦略的人材確保などの対応を」と求めた。研究面では、低線量被曝(ひばく)によるがんや、がん以外のリスク研究などを引き続き推進するよう要望。研究者の労力の軽減へ、毎年開いている科学諮問委を2年に1度へと減らす検討も促した。

 諮問委は日米の大学教授たち12人で構成。2日から研究の態勢や内容を非公開で議論していた。諮問委の共同座長を務めた山下俊一・長崎大副学長は4日の記者会見で「疫学や放射線生物学などの若い専門家を早めにリクルートし、フクシマの低線量被曝の研究の中核にもなってほしい」と強調。放影研の丹羽太貫理事長は「年齢分布は考えないといけない。研究所移転も含め、将来像の青写真を描く作業をこの1年で進めたい」と述べた。

(2016年3月5日朝刊掲載)

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