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ヒロシマのアートをプラハで展示 広島県内在住作家らの作品を25日から

■記者 西村文

 被爆地からのアート発信を続けてきた「ヒロシマ・アート・ドキュメント」(伊藤由紀子代表)のメンバーらが、25日からチェコの首都プラハで開催される「ティナB.2008プラハ現代美術フェスティバル」に招待されることが決まった。

 現地で作品を展示する日本人アーティストは9人とグループ2組で、半分以上が広島県内在住。プラハ市内3カ所で、破壊や再生、日本の「美」などをテーマに作品を並べる。

 広島市の原仲裕三さんは原爆投下への怒りをビデオ映像で表現。同市、佐古昭典さんは厳島神社にインスピレーションを得た写真作品を並べる。原爆ドームがチェコ人建築家ヤン・レツルの設計だった縁で、東広島市の建築家も映像作品を出す。

 ヒロシマ・アート・ドキュメントは1994年にスタート。市民団体が市内の被爆建物で毎年、平和や政治、命などをテーマに美術作品を発表してきた。一方のプラハ現代美術フェスティバルはチェコ政府後援で3年前に誕生。昨年、ドキュメントに参加したチェコの作家が間を取り持ち、両国の現代アートの交流が実現した。

 伊藤代表は「素晴らしい文化と歴史を持つチェコで日本の現代美術を展示する機会が得られ、うれしい。ヒロシマ発のアートを世界に知ってもらう機会になりそう」と喜んでいる。プラハ現代美術フェスティバルは10月15日まで開かれている。

(2008年9月17日朝刊掲載)

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