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社説・コラム

旬なひと NPO法人YouthCreate代表・原田謙介さん

政治参画 高校生に訴え

 若者と政治をつなぐ場づくりに取り組む東京のNPO法人YouthCreate(ユースクリエイト)代表の原田謙介さん(29)=倉敷市出身=が、選挙権年齢が18歳以上になるのを前に岡山市中区の岡山ふれあいセンターで講演し、高校生たちに地域課題に関心を持つ大切さを訴えた。(永山啓一)

 「政治とは何か。『社会を良くしていく動き。主役はあなた』というのが自分なりの定義」。まず訴えたのは社会のために、自ら動く大切さだった。

 若者の政治参画に興味を持ったのは大学1年の時。国会議員事務所のインターンを経験し、「政治家が若い人と会う機会がほとんどない」と問題意識を持ったからだった。当初は政治家を目指していたが、この経験を機に方針を転換。若者の投票率向上を呼び掛ける活動や、議員と若者が気軽に意見を交わす場の提供を続けている。

 選挙権年齢の18歳以上への引き下げを「時代が変わるぐらい大きな変化」と捉える。一方で「若者が求めたのではなく、大人が決めたこと」と指摘し、若者に「選挙に行きなさい」と上から目線で言う風潮に疑問を示す。

 高校生に呼び掛けたのはまず身近な課題に関心を持つこと。「学校の前に横断歩道が欲しい、というお願いでいい」と例を示す。

 大人の側にも変化を求める。若者が政治に参加しやすい環境づくりを訴え、山形県遊佐町の事例を示す。中高生が自らの代表である「少年議会」の議員を投票で選び、町予算のうち45万円の使い方を決めている。街灯の設置やイベント開催を実現したという。「中高生が町のことを考え、実際に物事が変わる経験が大切だ」とする。

 岡山市でもJR岡山駅前の商業施設進出や路面電車の乗り入れ議論がある中、「政治や選挙でなくても、街のことを考えている人は多い。高校生や大学生もいろんなことができる」と、積極的な意見表明や行動を促した。

はらだ・けんすけ
 東京大法学部卒。大学3年時に若者の投票率向上を目指す学生団体を設立。卒業後の2012年11月に同様の目的のYouthCreateを設立し、代表に就任。文部科学省が昨年、発行した政治や選挙に関する高校生向け副教材の作成委員も務めた。

(2016年3月6日朝刊掲載)

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