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被爆状況 軍の報告書 原爆資料館で原本展示

 原爆投下直後に広島入りし、被害状況を調べた旧日本軍の報告書を紹介する展示が1日、広島市中区の原爆資料館東館地下で始まった。無料。30日まで。

 海軍呉鎮守府調査団の「広島市ニ於(お)ケル原子爆弾ニ関スル調査(一般的調査)」と陸軍軍医学校(東京)の「原子爆弾ニ依(よ)ル広島戦災医学的調査報告」の2種類。それぞれ原本や付属資料の複写版などを並べ、写真や絵の部分を大型パネル7枚で紹介している。

 1945年8月6日夕に広島入りした呉鎮守府調査団の資料には、爆風で軌道を外れた路面電車などの写真26枚が添付されている。陸軍軍医学校の資料には8月10日から6日間で病理解剖した遺体のデータや被爆者の血液検査結果などが記されている。

 同館は「原爆の本質を突き止め、対策を講じようとした研究者の熱意を感じてほしい」と話している。(田中美千子)

(2012年3月2日朝刊掲載)

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