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核被害繰り返さぬ ビキニデー 静岡と焼津で集会

 太平洋マーシャル諸島ビキニ環礁での米国による水爆実験でマグロ漁船第五福竜丸が被曝(ひばく)して58年となる1日、原水禁国民会議、日本原水協などはそれぞれ静岡県内で「ビキニデー」の関連行事を催した。福島第1原発事故による放射線被害を踏まえ、核被害を繰り返させないことを誓った。

 原水禁は静岡市で全国集会を開き、約200人が参加。川野浩一議長が「もう一度原発事故が起きたら、この国は壊滅してしまう。日本を再生させるためには原発を完全に止めるしかない」と強調。脱原発やすべての核開発の停止を決意するアピールを採択した。

 また、浜岡原発(静岡県御前崎市)の再稼働の是非を問う県民投票の準備を進めている前静岡県磐田市長の鈴木望さん(62)が「再稼働は生き方、人のあり方に関わる問題。オール県民運動にしたい」と協力を求めた。

 原水協は地元実行委員会などとともに焼津市で集会を開いた。参加した約1800人を前に、元乗組員の大石又七さん(78)が「原発事故に対する政府の対応をみていると、半世紀前と少しも変わっていない。核兵器・原発と人類は絶対に共存できない」と訴えた。被曝して亡くなった無線長の久保山愛吉さんの墓前祭や市内での行進もあった。(武河隆司)


ビキニデー 「継承の観点 大事に運動」 広島で県原水協

 ビキニデーの1日、広島県原水協は広島市東区で集会を開いた。講演した広島女学院大の宇吹暁元教授(被爆史)は「被爆体験の継承という観点を大事に(核兵器廃絶への)運動の在り方を探るべきだ」と強調した。

 約90人が参加した。宇吹氏は、第五福竜丸事件とその後の原水爆禁止運動の流れを解説。「当時、被曝者救済を重点に置いて訴えていたのは広島だけだった」と指摘。福島第1原発事故に言及し「被爆地として広島に何ができるのか考えないといけない」と訴えた。

 集会では、核兵器全面禁止に向けた署名活動の推進、脱原発を目指す活動の強化といった行動計画を確認した。

(2012年3月2日朝刊掲載)

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