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3・11 高校生も薄れる関心 全校生にアンケート 福島の郡山東高新聞部

「原発廃止」8ポイント減/「復興に貢献」11ポイント減

 5年前に事故を起こした東京電力福島第1原発の約60キロ西にある福島県郡山市の郡山東高新聞部が実施した全校生徒アンケートで、原発は「廃止」が68%と3年前より8ポイント減少、「福島県の復興に貢献したい」も70%と11ポイント下回るなど、震災や事故への関心の薄れをうかがわせる結果となった。2月29日に発行された学校新聞に掲載された。(二井理江)

 アンケートは2015年11月に実施、833人の全校生徒の95%に当たる790人が回答した。「原発をどうすべきか」との質問に「即時全て廃止」と「将来的に廃止」が合わせて68%だった。12年7月のアンケートでは「将来的に廃止」は60%で今回と同じだったが、「即時全て廃止」は前回の16%から半減した。

 震災・原発事故被害を受けた福島県の復興についての問いには、「進んでいる」と「ある程度進んでいる」が52%を占めた。逆に「あまり進んでいない」と「まったく進んでいない」は42%。12年7月に比べ、「進んでいる」と「ある程度進んでいる」計15ポイント増え、「あまり進んでいない」と「まったく進んでいない」は計11ポイント減った。

 「将来、復興に貢献したいと思いますか」については、「強く思う」と「ある程度思う」が計70%で、前回の81%から大幅に下がった。

 新聞部の部長で、2年の佐藤祐芽子さん(17)は「原発事故や津波で避難した人がまだいるのに、放射線量が気にならなくなるなど、危機感や関心が薄れているのではないか。それが、復興への貢献意欲低下にもつながっている」と分析。今後も「被災地の現状を取材して自分たちの言葉で伝えていきたい」と話している。

(2016年3月11日朝刊掲載)

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