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平和を願い校舎に壁画 基町小児童ら卒業制作 18日の式で披露 広島市中区

 広島市中区の基町小の6年生が、市立大芸術学部(安佐南区)の学生と協力して、平和をテーマにした壁画を校舎に描いている。原爆資料館(中区)の設計者である建築家、故丹下健三が提唱した原爆慰霊碑と原爆ドームを結ぶ「平和の軸線」の延長線上に同小はあり、18日の卒業式で披露する。(石川昌義)

 6年生16人と市立大の教職員、学生計6人が11日、被爆直後の焦土に咲き、同小のシンボルになっているカンナの花を描いた。壁画は幅4メートル、高さ2・5メートルの壁面と、奥行き4メートルの床面に描く。折り鶴に「PEACE 平和」の文字をあしらった。

 昨年の被爆70年をイメージして7本の青いストライプを添えたデザインは、児童のアイデアを基にした。身長約130センチの子どもの目線で見ると、折り鶴を立体的に見ることができる。

 「平和の軸線」は、原爆資料館と原爆慰霊碑、原爆ドームを一直線に結ぶ。原爆資料館からほぼ北へ約1・2キロ離れた軸線上に同小があることから、6年生は丹下の設計思想や被爆地の復興史を学んできた。

 卒業制作として2月から1972年築の西校舎に壁画を描いている。「思い出いっぱいの校舎。壁画も大切にしてほしい」と同小6年斎藤千尋さん(12)。市立大2年松葉亮佑さん(26)=西区=は「軸線上に立ち、アートを通して広島の歴史に思いをはせてほしい」と期待していた。

(2016年3月12日朝刊掲載)

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