×

ニュース

伊方原発差し止め提訴 広島・長崎の被爆者ら67人 東日本大震災5年

 広島、長崎両県の被爆者たち67人でつくる原告団が、東日本大震災の発生から5年となる11日、四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)の1~3号機の運転差し止めを求める訴訟を広島地裁に起こした。原告のうち3人は、今春以降に再稼働が見込まれる3号機の差し止めを求める仮処分も申し立てた。

 同原発は広島市の南側約100キロにある。原告団は訴状で、同原発は南海トラフ巨大地震の震源域にあり、活断層からもわずか数キロに位置し、地震や津波による被害が強く懸念されると指摘。「過酷事故が発生する可能性は高く、大量の放射性物質が外部に放出される。大気や瀬戸内海は汚染され、原告らの生命や身体に深刻な被害が発生する」などと主張している。

 原告団は、両県の被爆者18人を含む9都府県の67人で構成。弁護団によると、被爆者が原発の運転差し止めを求めて提訴するのは全国で初めて。4歳の時に西区で被爆した原告団の伊藤正雄副団長(75)=佐伯区=は「原発が取り除かれ、安心して暮らせる世界を築かないといけない」と強調した。

 四国電力は「安全性を広島地裁に理解していただけるよう適切に主張、立証をしていきたい」としている。(浜村満大)

(2016年3月12日朝刊掲載)

年別アーカイブ