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後世のため闘う 伊方原発差し止め提訴 原告団長堀江さん 被爆体験が原点 広島地裁

 核の脅威を体験した者として次世代のために闘う―。広島市の被爆者たちが四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)の運転差し止めを求める訴えを広島地裁に起こした11日、原告団長の堀江壮さん(75)=佐伯区=が会見に臨み、「原発をなくしたい」と力を込めた。

 4歳だった1945年8月6日、爆心地から3キロで姉と一緒に被爆。海軍大佐だった父も爆心地の近くで被爆し、6日後に亡くなった。製薬会社を定年退職後、「遠い過去の出来事として忘れ去られてしまう」との危機感から、国内外で被爆体験を証言してきた。

 東京電力福島第1原発事故などを踏まえ、「世界から原発をなくすべきだ」と訴える。会見では「放射線の恐ろしさを身をもって知る者として、後世の人に伝えたい」と提訴に踏み切った理由を明かした。

 大津地裁が9日、関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の運転を差し止める仮処分を決定したことを評価。「追い風が吹いた。伊方原発でも速やかに同様の判断が出ることを願っている」と話した。(浜村満大)

(2016年3月12日朝刊掲載)

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