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外相会合 核問題で主導 来月広島

 外相会合は4月10、11の両日に広島市である。被爆地選出の岸田文雄外相が議長を務め、停滞している核軍縮、不拡散の議論を主導したい考えだ。地元では、会合の成功を後押ししようと受け入れ準備を本格化させている。

 外相会合では、過激派組織「イスラム国」(IS)を含むテロ対策で結束した対応も確認する。中東情勢や難民問題をはじめ、北朝鮮の拉致、核、ミサイル問題、中国が人工島造成などを進める南シナ海問題も取り上げる。

 会期中、参加外相は平和記念公園(中区)で原爆慰霊碑に献花する予定。核兵器保有国の米国、英国、フランスの外相が同公園を訪れるのは初めて。オバマ米大統領の被爆地訪問につながるかという点でも注目を集めそうだ。

 会場のグランドプリンスホテル広島(南区)周辺の交通は規制され、テロ対策も強化される。広島県など官民18団体でつくる支援推進協議会は10日から、混雑回避のため会期中の市内への車の乗り入れ自粛を呼び掛け始めた。県警も一帯の警戒を強めている。

 平和発信の機会にしようと市民参加の催しも相次ぐ。18~21日には協議会が「青少年外相会合」を開催。27日には外務省の「ユース非核特使」を経験した若者たちによる同省主催のフォーラムがある。

 市民団体「核兵器廃絶をめざすヒロシマの会」などは会合初日の4月10日、シンポジウムを開く。日本政府が消極的な「核兵器禁止条約」の交渉開始を求める声を高めたい考えでいる。(水川恭輔)

(2016年3月13日朝刊掲載)

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