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交差点の花めぐる会話劇 広島で26・27日 「クラッシュ・ワルツ」

 名古屋を拠点とする劇団「刈馬演劇設計社」の舞台「クラッシュ・ワルツ」が26、27の両日、広島市中区のJMSアステールプラザである。2013年度の劇作家協会新人戯曲賞受賞作。交差点に供えられた花をめぐり、異なる意見の人々がぶつかり合う会話劇だ。

 事故で男児が亡くなった交差点前の民家が舞台。花を手向け続ける加害者、花があると地価が下がると気にする民家の男性、現場の危険性を感じながら何もしなかった女性、悲劇を思い出す花をなくしてほしいと願う男児の母、風化を防ぐため花は必要だという男児の父…。5人が緊張感あるやりとりを繰り広げる。

 作・演出の刈馬カオス代表(38)が意識したのが、保存か否かで住民を二分した東日本大震災の震災遺構や原発事故。「死者を弔うことの意味や危険を見過ごした原発問題、風評被害…。震災で感じたことを、身近な事故に置き換え普遍的に扱いたかった」。13年の初演後、再演を重ね、15年には名古屋市民芸術祭の芸術祭賞(大賞)に輝いた。

 26日午後6時と27日同1時開演。終演後、広島の劇団「INAGO―DX」と共同短編劇も上演する。前売り2千円、大学・専門学校生1800円、高校生以下千円(当日各200円増)。Tel090(9178)9199。(余村泰樹)

(2016年3月14日朝刊掲載)

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