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「福島の経験 生かして」 避難の僧侶、山口で講演

 東日本大震災から5年を機に、福島第1原発がある福島県双葉町から同県いわき市に避難している僧侶藤井賢誠さん(46)の講演が12日、山口市黒川の徳證寺であった。古里に帰れない苦しみを吐露し「被災地を忘れないでほしい」と訴えた。

 地域住民たち約50人が参加した。藤井さんが副住職を務める光善寺は原発から約3・5キロにあり、現在も放射線量が高く帰宅は年間30回に制限されている。

 除染作業で集めた土砂を入れた袋が並ぶ中間貯蔵施設や、荒れた寺の様子をスライドで紹介し、「福島の経験を忘れず、災害への備えに生かしてほしい」と呼び掛けた。

 山口市陶の団体職員中野光昭さん(40)は「被災地の状況にショックを受けた。地域で防災意識を高めたい」と話していた。(原未緒)

(2016年3月13日朝刊掲載)

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