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原発50キロ圏 放射線監視 50地点に 県が20地点追加

 島根県は、中国電力島根原子力発電所(松江市鹿島町)の放射線監視(モニタリング)について、原発50キロ圏の50地点での観測態勢を整える方針を固めた。現在より20地点増やす。福島第1事故を受けた政府による防災対策重点地域の拡大方針に対応し、住民の安全確保につなげる。(樋口浩二)

 固定型のモニタリングポストより安価な携帯型のポストを中心に整備する。既設の松江、出雲、雲南、安来の原発30キロ圏4市のほか、奥出雲町、飯南町、大田市も観測地点に含む。

 携帯型ポストは、各市町の役場やその近隣の県の施設に置くことを想定。原発事故の発生時に50キロ圏で素早く観測が始められるようにする。2012年度末までの整備を目指し、事業費は12億円以上を見込む。財源には国の交付金を充てる。

 各地点の放射線量観測結果を従来通り2分間隔で県ホームページで公表できるよう、システム改修も進める。

 島根原発の事故に備えたポストに加え、県は全国での原子力災害を想定した固定型のポストを松江、浜田、益田、江津、大田の5市と邑南、隠岐の島の2町に各1基ずつ、計7台設置している。


島根原発再稼働判断 県、3市意向反映へ検討  島根県は、中国電力島根原子力発電所の稼働などに伴う地元判断に、出雲、雲南、安来市の意向を反映させる仕組みづくりを検討していることを明らかにした。

 溝口善兵衛知事は1日の県議会本会議の一般質問で、地元判断について「理解され、了解される仕組みづくりに努めたい」と積極的な姿勢を表明した。今後、県が原子炉の再稼働や増設の可否を判断する際、3市にも説明や意見交換する場を整える方針でいる。

 3市は国の防災指針の見直しで、島根原発から30キロ圏の新たな防災対策重点地域に入る。2月15日、文書での意見照会など意見の反映に向けた明確なルールを求める要望書を県に提出していた。

 出雲市の森山靖夫危機管理監は「県の前向きな検討を評価したい。周辺市の意向をしっかり取り入れる制度を確立してほしい」としている。(川上裕)

(2012年3月3日朝刊掲載)

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