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米オレゴン州の合唱団 がヒロシマの歌 原爆展で20日披露

■記者 森田裕美

 米国オレゴン州メッドフォードの市民合唱団が、原爆投下への贖罪(しょくざい)の気持ちを込めた歌を、現地で20日に始まる原爆展で披露する。地元在住で、合唱団の一員でもある被爆者田村秀子さん(74)の仲介で実現する。

 タイトルは「From America to Hiroshima(アメリカからヒロシマへ)」。原爆投下で市民が無差別に殺されたことに触れつつ、世界平和や戦争反対を訴える歌詞で、「お許しを」と日本語で繰り返す部分もある。

 合唱団は約40人。一昨年8月、メンバーは広島市出身の田村さんの呼び掛けで被爆地を訪問した。指揮者の音楽家デーブ・マーストン氏が被爆の実相に触れ、「これぞ私が日本に来た目的」と即興で作詞作曲した。

 広島市の「全米原爆展」のメッドフォード開催に田村さんが協力、会場で被爆体験を語ることから、合唱団の出演も決まった。田村さんは「原爆投下を肯定し続ける米国では勇気と信念がいること。多くの人に聴いてほしい」と願っている。

 マーストン氏は歌のCDを自費制作しており、原爆資料館(広島市中区)の売店でも1枚500円で販売している。

(2008年9月19日朝刊掲載)

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