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45年前の記念樹と確認 平和公園のイチョウ8本 東京の被爆者団体「東友会」 

機関紙で紹介 現地訪問へ

 平和記念公園(広島市中区)の原爆供養塔近くにあるイチョウの木8本が45年前、東京の被爆者団体「東友会」会員らによって植樹されていたことを、元高校生物教諭で公園を案内するピース・ボランティアの恵美勇作さん(73)=広島県熊野町=が確認した。連絡を受けた同会は1月の機関紙で紹介し、メンバーが8月に現地を訪れる。(増田咲子)

 恵美さんは5年前から公園内の樹木の種類や由来を調べ、地図にまとめている。イチョウについては、1971年9月24日の中国新聞に掲載された記事を図書館で見つけた。東友会の会員らが供養塔近くにイチョウの若木8本を記念植樹。若木は、「平和のシンボルでもある平和記念公園内にぜひ移植を」と、東京都品川区と神奈川県鎌倉市の寺から4本ずつもらい受けた、と記している。

 供養塔東側にはイチョウが15本並ぶが、説明や碑はなく、広島市緑政課にも記録は残っていない。恵美さんは、幹の太さなどから、そのうちの8本が植樹されたイチョウとみている。東友会には、昨年11月に記事のコピーを送った。

 東友会事務局主任の村田未知子さん(65)は「植樹については初めて知った。当時を知る関係者の多くは亡くなっている。被爆者たちがイチョウの下で集えるようになるとうれしい」。8月に広島を訪れるメンバーを案内する恵美さんは「イチョウにとって『母』のような東友会の人たちが久しぶりに来てくれる。イチョウも喜ぶだろう」と心待ちにしている。

(2016年3月21日朝刊掲載)

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