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想定示さず事故訓練 中電の島根原発 初公開

 中国電力は22日、島根原子力発電所(松江市鹿島町)の事故に備えた訓練を同原発と出雲市の計2カ所で実施した。事前に想定のシナリオを参加者に示さない形式での訓練を初めて公開。事故時の指揮命令拠点となる同原発の免震重要棟では社員たちが緊迫した雰囲気で訓練に臨んだ。

 同原発や中電本社(広島市中区)の約360人が参加。休日の昼間、松江市で震度5弱の地震と震度4の余震が発生し、全交流電源が喪失した―との想定で始まった。全面緊急事態となり、棟内に設けた対策本部に社員が続々と参集。同原発の北野立夫所長たちがプラント状況をモニターで確認しながら現場へ対応を指示した。本社とは映像で結ばれ、情報を共有した。

 合わせて原発の南西約34キロの知井宮変電所(出雲市)では、約20人が事故時の支援拠点を設ける訓練に当たった。放射性物質の付着を調べる車両のスクリーニングや入退域の手順などを確認した。

 原発30キロ圏の自治体からは境港市を除く島根、鳥取両県と松江、出雲、安来、雲南、米子市の職員が訓練を視察した。(小林正明)

(2016年3月23日朝刊掲載)

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