×

ニュース

オスプレイ岩国駐機浮上 地元、国へ強い不信感

 米軍普天間飛行場(沖縄県)に配備予定の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの一時駐機先として米海兵隊岩国基地が浮上したことを受け、山口県の二井関成知事と岩国市の福田良彦市長は7日、「現時点で反対」という見解をそろって表明した。事実関係の確認を急ぎ、対応を両者で協議するとした。

 県、市両議会の一般質問で答えた。二井知事は本州への一時駐機について、「沖縄の反発に配慮して、安全保障や国防の見地から離れている。単に政治的な思惑としか受け止められず、大きな違和感を覚える」と指摘。「現時点で反対と言わざるを得ない」とした。

 福田市長も答弁で、「安全保障上(オスプレイ配備が)必要ならば、沖縄に説明する姿勢が国にないといけない」と指摘。「沖縄の反発を和らげるため、(一時駐機先に)岩国の名前が挙げられ、大きな違和感がある」と国への不信感をにじませた。

 二井知事は本会議後の取材で、一時駐機への現時点での反対姿勢を強調した上で「具体的に国から打診があれば基本スタンスに照らし、検討していく」。騒音や安全面など基地周辺住民の生活環境が悪化するような基地機能の強化は容認できない▽市の意向を尊重する―などの基本方針を掲げ、市と協議する意向を示した。

 県と市はこの日、一時駐機案の事実関係のほか、岩国基地への一時駐機の可能性▽一時駐機する場合の時期と機数▽オスプレイ配備と米軍再編のロードマップ(行程表)の関係―などを中国四国防衛局に口頭で問い合わせた。(金刺大五、酒井亨)

(2012年3月8日朝刊掲載)

年別アーカイブ