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平和祈念像 修復始まる 円鍔さん制作 4年ぶり元の姿に 広島市中区

 広島市は23日、平和記念公園(中区)に立つ「平和祈念像」の修復を始めた。折れたままの状態だったラッパの先端部分を約4年ぶりに取り付けた。像全体を塗り直し、25日に作業を終える。

 母親に抱かれた子どもがラッパを吹く姿をかたどったブロンズ像(1・4メートル)。ラッパの先端から管(直径5ミリ)にかけての約8センチが折れているが、市は劣化のため再び取り付けられないと判断。委託業者が同じ形で作り直し、この日、溶接した。ラッパには金箔(きんぱく)を施す。事業費は約70万円。

 像は尾道市御調町出身で文化勲章を受章した彫刻家、円鍔勝三さん(1905~2003年)が制作して市に贈り、77年に原爆慰霊碑北側に置かれた。市緑政課によると、12年4月に折れていることが判明。経年劣化が原因とみられる。管の部分が細く、最適な修復方法を見いだせなかったという。同課は「修復を機に多くの来園者に像を見てほしい」としている。(和多正憲)

(2016年3月24日朝刊掲載)

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