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県が調査 島根原発30キロ圏 社福施設入居者 避難先の収容力65%

 島根県は、中国電力島根原子力発電所(松江市鹿島町)の事故を想定した原発30キロ圏内の社会福祉施設入居者の避難について、30キロ圏外にある県内施設の受け入れ可能人数が入居者全体(約7千人)の65%にとどまるとの調査結果をまとめた。

 入居者には、いったん県内のホールなど大型公共施設に避難させた後、社会福祉施設に移ってもらう考え。35%に上る収容不足を解消するため広島、岡山、鳥取の3県に受け入れを要請する。

 特別養護老人ホームや障害者支援施設、児童養護施設など原発30キロ圏外の県内11市町398カ所(隠岐諸島は除く)を調べた。約1カ月の避難生活を前提に、空き部屋や食堂など受け入れ可能なスペースの床面積を尋ねた。

 占有面積を1人当たり5平方メートルと算出した場合、受け入れ可能人数は4529人で、30キロ圏の施設入居者の64.7%を占めた。1施設当たりの収容人数は1~162人だった。

 島根県は避難の手順について、空調の整備やバリアフリー化が進んでいる大型の体育館やホールに入居者を優先的に搬送。その後、県内と3県の社会福祉施設へ移す計画でいる。

 県は2月、原発30キロ圏の松江、出雲、雲南、安来の4市の避難先について、県内に加え広島、岡山、鳥取の4県71市町村とする案を提示。現在、4市が受け入れ側の市町村と詳細な行き先などの調整を進めている。(樋口浩二)

(2012年3月8日朝刊掲載)

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