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「長崎の鐘」響き合う絆 広島市商高に姉妹校寄贈へ

 広島市東区の市立広島商高に10日、姉妹校の長崎市立長崎商高から「長崎の鐘」を模した鐘が贈られる。平和交流を続ける両校の「絆の証しに」と、長崎商高の生徒がオリジナル菓子を販売し、製作費を捻出した。同日、広島商高である贈呈式で両校の生徒が鐘を鳴らし、東日本大震災の犠牲者の冥福と被災地の復興を祈る。

 長崎の鐘は、原爆で破壊された浦上天主堂の鐘で、がれきの中から掘り出され、平和の象徴として広く知られる。贈られるのは直径16.5センチ、高さ17.5センチ、重さ3.2キロの青銅製で実物の5分の1程度。中央に「絆」の字を浮き彫りにした。

 両校は2007年から交流を始めた。生徒が仕入れや販売を担う広島商高の「ピースデパート」には長崎商高商業クラブのメンバーが参加。収益の一部を広島、長崎両市の平和事業に寄付している。

 ピースデパートで宮城県の特産品を販売するなど、両校はそれぞれ震災の復興支援に取り組む。鐘は1月末に完成。贈呈式を震災1年の前日に実施することにした。

 長崎商高商業クラブの田崎真央部長(17)は「復興を祈り、みんなで鐘を鳴らす」。広島商高原爆問題研究部の村田真弓部長(17)は「音色を聞き、気持ちを新たに平和交流や被災地支援を続けたい」と心待ちにしている。(田中美千子)

(2012年3月9日朝刊掲載)

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