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広島西部 目撃続く オスプレイ 岩国連続駐機最長 市民抗議要請

 廿日市市や広島市などで、米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの目撃が相次いでいる。米韓合同軍事演習で米海兵隊岩国基地(岩国市)を離着陸していたためとみられ、岩国市が確認した連続駐機日数は、29日までに過去最長の20日間に上った。廿日市市の市民団体は29日、世界遺産の島・宮島や市街地の上空の飛行に対し、基地側に抗議するよう求める要請書を同市に提出した。

 要請したのは「岩国基地の拡張・強化に反対する広島県西部住民の会」。真野勝弘市長宛ての緊急要請書では「岩国基地に最多で8機が駐機し、異常な事態」と強調し、同基地を拠点とした訓練が恒常化することへの不安を訴えた。菊間みどり共同代表は提出後、「行政や他地域の市民と連携し、飛行中止を求めるとともに監視を続ける」と述べた。

 同会には今月、廿日市市や広島市、北広島町などから40件以上の目撃情報が寄せられた。広島県国際課は2~22日、中国四国防衛局からオスプレイの離着陸に関する通告を66回受けていた。岩国市基地政策課によると、今回の連続駐機日数は2~21日の20日間。これまでは2014年12月の8日間が最長だった。

 基地問題に詳しい「瀬戸内海の静かな環境を守る住民ネットワーク」の久米慶典顧問=岩国市=は「岩国基地が米軍にとって本州の拠点となりつつある前兆。最新鋭ステルス戦闘機F35が配備される可能性も高まっており、今後は中国山地上空での訓練の増加もあり得る」との見方を示す。(長部剛、野田華奈子)

(2016年3月30日朝刊掲載)

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