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奨励館の床面遺構公開 原爆ドーム 広島市、耐震工事中に発見

 広島市は29日、世界遺産・原爆ドーム(中区)の前身、県産業奨励館の床面の遺構を報道陣に公開した。床面はコンクリート製で、ドームの耐震補強工事中に見つかった。記録作業などのため中断していた工事を近く再開し、7月末までに終える。遺構は埋め戻す。

 見つかったのは「陳列室」があった北側の場所。3メートル四方▽2・5メートル四方▽縦3メートル、横2メートル―の計3カ所。厚さは3~5センチ。

 市は昨年12月に耐震補強工事を開始。同月末、既存の補強用鉄骨を支える3カ所の基礎部分を拡大するため周辺を掘った際、遺構が現れた。基礎は1967年に設けられたが、床面に関する記録は残っていないという。

 遺構の写真撮影や測量のため、3月末を予定していた工事完了はずれ込む。市公園整備課は「床も当時の状況を表すものとして残したい」としている。(渡辺裕明)

(2016年3月30日朝刊掲載)

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