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社説・コラム

ピープル 福山市光南町の門田隆三郎さん 記念碑移設に亡き戦友思う

 「ふさわしい場所に移設された記念碑を見れば、亡くなった戦友も喜ぶ」と話すのは、陸軍歩兵第41連隊に所属していた福山市光南町の門田隆三郎さん(99)。27日、兵営があった緑町公園(同市緑町)への記念碑の移設除幕式に参加した。

 1937年、21歳で入営。転属した歩兵141連隊時代を含め、中国やフィリピンなどに赴き、南方ラバウルで終戦を迎えた。「一緒にいたのはほとんど死んだ。生きて帰ったのが不思議なくらい」

 「歩兵第四十一聯隊跡」と刻まれた記念碑は78年、JA福山市(花園町)の敷地に建てられた。当時は、広島大福山分校として使われていた兵営跡地への建立はかなわなかった。「市民でも41連隊がこの地にあったことを知らない人が増えている。福山の礎を築いた41連隊の歴史を知ってほしい」と願う。(衣川圭)

(2016年3月30日朝刊掲載)

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