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北朝鮮 4回連続最低点 県「ひろしまレポート」 核3分野採点 非保有国 評価下がる

 広島県は30日、核軍縮、核不拡散、核物質の安全管理の3分野で世界36カ国を採点した「ひろしまレポート」を発表した。2013年から毎年、各国の前年の対応などに点数を付けて評価しており、4回目。核軍縮分野は、関連する国連総会決議案への反対や棄権などを理由に、日本を含む主に非核兵器保有国の14カ国(38・9%)で前回より評価が下がった。北朝鮮は3分野すべてで4回連続の最低評価となった。(松本恭治)

 対象国の内訳は、核拡散防止条約(NPT)で認められた核兵器保有国5▽事実上の保有国4▽非保有国27。県の委託を受けたシンクタンク「日本国際問題研究所」(東京)が、主に15年の各国の対応を評価項目ごとに点数を付けた。各分野で満点が異なるため、100点満点に換算した評点率を示した。減点が多ければマイナスになる。

 核軍縮は、核兵器保有数や国連総会決議への投票行動などを基に採点した。保有5カ国の米国、英国、中国、フランス、ロシアでは、最多の約7500発の核弾頭を保有するロシアが10・1%で最も低かった。5大国で核兵器削減に唯一取り組んでいない中国は13・3%、米国は20・7%だった。

 事実上の保有国は、いずれも5大国より厳しい評点となった。積極的な核・ミサイル開発を続けているとみられる北朝鮮は減点や無得点の項目が目立ち、マイナス5・5%だった。

 非保有国は、核兵器の非人道性の問題で主導的な役割を担ったオーストリアが77・1%でトップ。ニュージーランドが74・3%で続いた。スウェーデンは71・4%で、前回の6位から3位に上昇した。

 一方、日本は核軍縮分野で65・7%と前回から1・0ポイント下げた。国連総会本会議で、核兵器禁止に向けた法的枠組みづくりの努力を呼び掛ける決議案の採択を棄権したことなどが、減点対象となった。核不拡散は前回と同じ88・5%。核物質の安全管理は70・7%で4・8ポイント改善した。

 レポートは、県の「国際平和拠点ひろしま構想」の取り組みの一環。県は今回、内容を分かりやすく解説した一般向けの小冊子を初めて作り、平和関連イベントなどで配る。

(2016年3月31日朝刊掲載)

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